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「萬朝報」 明治44年

明治44年7月29日 お化け長屋(十一)夜な夜な悪夢に襲わる

 「明治期怪異妖怪記事資料集成」補遺、「お化け長屋」。「半四郎、お俊に就いての怪談ハ、前の住人松浦新兵衛の非業の死と相俟つて、一層凄さの度を加へた、越えて廿九年、…、銀行家で失敗した村上芳雄と云ふ人」

…が浅草向

柳原から引越して來た『何うせ永くハ續
くまい』と同近の人ハ私(ひそ)かに囁き合つて
居たが、一年ばかりで又空屋となつたの
で、『愈よお化が出るんだ』と噂が立つた
  ▽土藏の梁で首をくゝる▽
その後暫く空いて居たが、深い事情を知
らぬものハ家賃の廉いのに飛付く、伏見
鶴吉(三十二)と云ふ男が此地へ引越して來て
又も質屋の看板を掲げた、けれどケチの
付いてゐる家だけに、氣味惡く思つてお
客樣ハ一向に來ない、『これでハ幾ら家賃
が廉くたつて商賣にならぬ』と鶴吉ハ
首を傾ける、日に日に食ひ込む、元來氣
の小さい男だけに、間もなく精神に異常を

を呈して、あらぬ事を…

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